登記事項証明書

宅建試験向け 登記事項証明書とは

読み終える時間:約7分

宅建試験のテキストには載ってないけどめちゃくちゃタメになること!!

めちゃタメの第3回目です。

第2回目 【画像】用途地域のストリートビュー【ストリートビュー】
第1回目 住宅金融支援機構ってどんなところ?

宅建試験にもたびたび出題される「登記事項証明書」。

登記事項証明書と聞いてピンと来る方は少数です。

しかしながら、わたくし司法書士の専門分野なので張り切ります\(^o^)/

登記事項証明書

 

登記事項証明書=登記簿謄本

登記事項証明書は昔でいう登記簿謄本です。

登記簿謄本は不動産の情報が手書きされていました。

登記簿謄本

引用:http://ace.wisnet.ne.jp/wada/wadai/fudousan/touki-mikata.htm

ただし、ハッキリ言えば字が汚くて読めなかったりオンラインも使えないので不便なこともたくさんありました。

そんなこともあり現代ではデータ化されていて、データを印刷することになったため名称が『登記事項証明書』になりました。

つまり、呼び方が違うだけで役割は同じです。

昔は登記簿謄本と呼んでいて、現在は登記事項証明書と呼んでいます。

 

登記事項証明書とは

登記事項証明書は『不動産の履歴書』と言えます。

実は、バイトや就活で使う履歴書と載っていることが似ているんですよ。

履歴書でもプロフィール欄や経歴欄があるように、登記事項証明書は大きく分けて以下の3つに区分されます。

1.不動産の基本的なプロフィールが載っている「表題部

2.過去~現在までの所有権が載っている「権利部(甲区)

3.所有権以外の特別な権利を載せている「権利部(乙区)

登記事項証明書

 

これは実際の履歴書と比較すると分かりやすいでしょう。

履歴書=登記事項証明書

履歴書引用:リクナビ

②の権利部(甲区)と学歴をイコールにするのは少し無理やり感があるのはご愛嬌です(;・∀・)

登記事項証明書の読み方 ①表題部

表題部

表題部は登記事項証明書の一番上に記載されていて、不動産の基本的なプロフィールが載っています。

表題部

履歴書でいえば、住所・年齢・氏名・電話番号などの基本的なプロフィールみたいなものですね。

プラスワン
なお、一応「所有者」も登記されますが権利部(甲区)に所有者が登記されるまでの間だけ記録しておく『仮の所有者』のようなものです。
もちろん、権利部(甲区)に登記する所有者と同一人物であることが通常です。

 

登記事項証明書の読み方 ②権利部(甲区)

権利部(甲区)

ここからは『権利部』という通り、『〇〇権』という権利についてが登記されていきます。

「権利部(甲区)」に記載されているのは所有権だけです。

過去~現在までの所有者一覧」が載っていると認識すればOKです。

下段に行くにつれて現在の所有者に近づくのは履歴書の最終学歴が一番下に来ることと同じです。

よって、権利部(甲区)の一番下に登記されている人が現在の所有者であることが基本です。

 なぜ所有権だけ?

権利部(甲区)は原則として所有権のみが登記される部分です。

他の権利は基本的に登記されません。

これは所有権が最も重要な権利だからです。

感覚的に分かると思いますが、他人から借りている物よりも自分の物のほうが何でもできますよね。

自分の物であれば使うことも誰かに貸すことも捨てることもできます。

他人から借りていたらそうはできないので、所有権はキングオブ権利です。

プラスワン
「原則として所有権のみが登記される部分」と言いましたが、以下の権利はこの権利部(甲区)に登記されます。
1.買戻権
2.譲渡担保権
これらは所有権との結びつきが強い権利だからです。

 

登記事項証明書の読み方 ③権利部(乙区)

権利部(乙区)

「権利部(乙区)」は所有権以外が載っている欄です。

抵当権(根抵当権)、先取特権、質権、地上権、賃借権、地役権、これらはすべてこの権利部(乙区)に登記されます。

実務上は、この権利部(乙区)にある権利は抵当権(根抵当権)が9割を占めると言っても過言ではありません。

抵当権(根抵当権)は住宅ローンでよく使われるからです。

名前や住所が載っているの?

登記事項証明書には登記された名義人の氏名・住所が記載されています

もう少し正確に言えば、以下のようになります。

・権利部(甲区)は所有者の氏名・住所

甲区

・権利部(乙区)はよく登記される抵当権を例にすると、抵当権者の氏名・住所、債務者の氏名・住所、債権額や利息・損害金

乙区

こういった個人情報が法務局という国の機関で提供されています(!)

同姓同名は世の中にたくさんいるため、氏名・住所をセットにして個人を特定しています。

こうして個人を特定することによって権利者を明らかにして、権利を保護しようとしているのです。

 

権利証とは違うの?

登記事項証明書と権利証は明確に違います

登記事項証明書はいわば『不動産の履歴書』です。

甲野太郎さんから法務太郎さん所有者が変わったよ」という履歴が載っています。

登記事項証明書

 

それに対して権利証はその名の通り『所有者であることの証明書』です。

権利書

権利証の正式名称は「登記識別情報」と言いますが、一般的には「権利証」で通じています。

当然、権利者にしか発行されませんし金庫に保管しておく等、重要書類として扱われます。

 

 

登記事項証明書の発行は?手数料は?オンラインでできる?

重要書類である権利書に対して、登記事項証明書は何枚でも誰でも請求できます

ひとつひとつ分かりやすく説明しましょう。

 

登記事項証明書を発行している場所

登記事項証明書は最寄りの法務局で発行しています。

リンク:法務局の管轄一覧

区役所や市役所とは違いますので注意してください。

なお、不動産の場所に関わらず全国どこの法務局でも取得できます

例えば、大阪にある不動産の登記事項証明書を東京の法務局で取得することができます。

これは全国どこであっても同じです。

誰が請求できるのか

登記事項証明書を請求できるのは所有者だけ…
というイメージはありますが、全くもって違います。

誰でも請求できます

つまり、赤の他人の不動産の登記事項証明書を勝手に取得することができます

あなたも友達が持っている不動産の登記事項証明書を勝手に取得できます。

抵当権が登記されていれば「債権額」が載っているため、住宅ローンをいくらで組んだのか分か…ゴホンゴホン

そういった裏話は勉強の息抜きの際に話します(;´∀`)

手数料

手数料は一律ではありません

書面申請かオンライン申請かで手数料が変わります。

さらにオンライン申請であっても2パターンに分かれます。

  • 書面申請…600円
  • オンライン申請をして郵送してもらう…500円
  • オンライン申請をして窓口へ取りに行く…480円

手数料

引用元:法務省 登記手数料について

どうやって取得するのか

申請の方法は以下の3つがあります。

  1. 法務局に行って申請書を書く(書面申請)
  2. 申請書を郵送する(書面申請)
  3. オンラインで申請する(オンライン申請)

1.は登記事項証明書をその場で手渡ししてもらえます。

2.は返信用封筒と返信用切手が必要です。

3.法務局の窓口へ直接取りに行くか、郵送してもらうことができます。郵送代がかかるため司法書士実務では直接取りに行っています。順番待ちもほぼないためとても便利です。

1.と2.のパターンは以下の申請書を書きます。

登記事項証明書の申請書

見えにくいのでアップにしておきます。

登記事項証明書の申請書
引用元:法務局(各種証明書請求手続)
こちらの法務局のページから上記のPDFを取得できます。

 

3.のパターンは以下のサイトからオンラインで申請します。

登記事項証明書の申請書

引用元:登記・供託オンライン申請システム

 

ってことはオンラインですぐ取得できるのね

そう思ってしまいがちですが、違います

あくまで登記事項証明書の申請がオンラインでできるだけであり、登記事項証明書の原本そのものは郵送か窓口で交付してもらうことになります。

つまり、オンラインで申請したからといってPDFで登記事項証明書が送られてくるわけではありません

面倒くさい仕組みですよね(;・∀・)

住民票を自宅のプリンターで印刷できないのと同じです。

登記事項”証明書”なので、証明書としての効力を担保するために原本を発行してもらう必要があるのです。

プラスワン
ただし、オンライン上で登記事項が全く確認できないわけではありません。
登記事項証明書と同じ内容が記載されているPDFはオンラインで即座に手に入ります。
自宅のプリンターで印刷したりするわけなのでペラペラの紙ですし(登記事項証明書の原本は薄緑色で紙幣くらいの厚みがある紙です)、法務局が発行する”証明書”としての効力はないため、あくまで内容を確認する程度に使います。

請求に必要な情報

何の情報もなく登記事項証明書を請求することはできません。

市町村を特定している他に以下の情報も必要です。

・土地の場合は「地番」

・建物(戸建てやマンション)の場合は「家屋番号」

 

登記事項証明書の種類

全部事項証明書

読んで字の如く“全部”の事項を記載した登記事項証明書です。

ようは何十年前に登記されたものも全て記載されます。

何十枚にも渡る登記事項証明書になることも結構あります。

登記事項証明書といえば一般的にはこの全部事項証明書のことを指します。

現在事項証明書

現に効力を有する部分だけ”を記載した登記事項証明書です。

過去の所有者などは記載されていないので記載事項が少なくてスッキリしています。

 

過去問での出題

宅建試験では登記事項証明書をメインに据えた問題が近年でも出題されています。

【問題】H22-14

不動産の登記事項証明書の交付の請求に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

  1. 登記事項証明書の交付を請求する場合は、書面をもって作成された登記事項証明書の交付のほか、電磁的記録をもって作成された登記事項証明書の交付を請求することもできる。
  2. 登記事項証明書の交付を請求するに当たり、請求人は、利害関係を有することを明らかにする必要はない。
  3. 登記事項証明書の交付を請求する場合は、登記記録に記録されている事項の全部が記載されたもののほか、登記記録に記録されている事項のうち、現に効力を有するもののみが記載されたものを請求することもできる。
  4. 送付の方法による登記事項証明書の交付を請求する場合は、電子情報処理組織を使用して請求することができる。

 


【解説】

1.×
上記のプラスワンで紹介した話です。
書面での登記事項証明書の交付は請求できますが、電磁的記録による交付の請求ができるという規定はありません。
オンラインで登記事項を確認できる画面はありますしそのPDFを印刷もできますが、これが証明書になるわけではありません。

2.○
登記事項証明書の交付の請求は誰でもできます。
利害関係を有する必要はありません。

3.○
登記事項証明書の記載事項には、昔から今まであった登記記録が全部載っているものがあります。
そして、今現在効力を有する事項のみが記載されたものもあります。

4.○
分かりにくい問題文ですが、電子情報処理組織(インターネットのこと)で請求できて、登記事項証明書は郵送で送られてくるってことです。
手数料が500円かかるパターンですね。

 

平成27年にも4肢中2肢は登記事項証明書に関することでした。

【問題】H27-14

不動産の登記に関する次の記述のうち、不動産登記法の規定によれば、誤っているものはどれか。

  1. 登記事項証明書の交付の請求は、利害関係を有することを明らかにすることなく、することができる。
  2. 土地所在図、地積測量図、地役権図面、建物図面及び各階平面図を除く登記簿の附属書類の閲覧の請求は、請求人が利害関係を有する部分に限り、することができる。
  3. 登記事項証明書の交付の請求は、請求情報を電子情報処理組織を使用して登記所に提供する方法によりすることができる。
  4. 筆界特定書の写しの交付の請求は、請求人が利害関係を有する部分に限り、することができる。

1.○
登記事項証明書の交付を請求は誰でもできます。

2.○
何人も、登記官に対し、手数料を納付して、登記簿の附属書類の閲覧を請求することができます。
ただし、『土地所在図・地積測量図・地役権図面・建物図面・各階平面図以外のものについては、請求人が利害関係を有する部分に限る』ということになっているので本肢は○です。

3.○
その通りです。
『電子情報処理組織を使用して』というのはパソコンなどでオンライン請求できるということです。

4.×
筆界特定書の写しの交付の請求は誰でもできます。

 

まとめ

登記事項証明書を見ればその不動産の歴史が分かるためまさに履歴書です。

”この不動産には誰がどんな権利を持っているのか”それらを明らかにすることで権利の関係が分かりやすくなり、トラブルの予防になります。

甲子園球場や東京スカイツリーなど好きな場所の登記事項証明書を請求してみると意外なことが載っているかもしれませんね(゚∀゚)

 

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ありがとうございます。それでは失礼します。

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