被保佐人と被補助人は、宅建試験においてはマイナー論点です。
時間をかけすぎないようにしましょう。
1.被保佐人とは
目次
被保佐人とは…精神上の障害により事理を弁識する能力が著しく不十分な者で家庭裁判所から保佐開始の審判を受けた者のことです。
2.保護者
保佐人が保護者になります。
保佐人には ①同意権 ②取消権 ③追認権 があります。
3.取消権者
①本人
②保佐人
なお、日用品の購入など日常生活に関する行為は取り消せません。理由は成年被後見人と同じです。
4.同意権、代理権について
①同意権はどうか?
被保佐人が13条1項所定の行為(不動産の売却や贈与の拒絶等の重大な行為)をする場合には保佐人の同意が必要です。(13条1項を歌で覚えるならこちら)
更にこれ以外でも同意が必要な行為を追加することはできますが、13条1項の行為の一部に限ることはできません。被補助人と同じになるからです。
※同意に代わる許可…被保佐人の利益を害するおそれがないにもかかわらず、保佐人が同意しない場合、家庭裁判所は保佐人の同意に代わる許可ができます。
被保佐人にとって不利なことはないのに、保佐人のイジワルで同意をもらえない場合などで使う制度です。
②代理権はどうか?
代理権は被保佐人の同意があれば13条1項に限らず代理権付与の審判により付与できます。
1.被補助人とは
被補助人とは…精神上の障害により事理を弁識する能力が不十分な者で家庭裁判所から補助開始の審判を受けた者のこと
2.保護者
補助人が保護者になります。
①同意権 ②取消権 ③追認権 があります。
3.取消権者
①本人
②補助人
なお、日用品の購入など日常生活に関する行為は取り消せません。理由は成年被後見人と同じです。
4.同意権、代理権について
①同意権はどうか?
13条1項所定の行為の内、特定の行為について補助人の同意が必要です(つまり13条1項の中から『選べる方式』ということです)。
それ以外は同意がなくとも被補助人が単独で契約できます。
※同意に代わる許可…被補助人の利益を害するおそれがないにもかかわらず、補助人が同意しない場合、家庭裁判所は補助人の同意に代わる許可ができる。
被保佐人にもあったものと内容も理由も全く同じ規定です。
②代理権はどうか?
代理権は13条1項に限らず代理権付与の審判により付与できます。被保佐人と全く同じです。
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司法書士の実務をしながら大学講師をしている法律家。
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宅建士、司法書士、行政書士、貸金業務取扱主任者など法律系資格を保有。
法律未学習・高卒・フリーターから宅建試験をきっかけに法律の道を進む。